2010年03月20日

運転再開近づく「もんじゅ」 ナトリウム漏れに対策(産経新聞)

 ■12年度中の本格運転目指す

 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の運転再開が近づいた。発電しながら燃料が増えていく高速増殖炉は、資源が乏しい日本のエネルギー政策の切り札。運転再開を前に「夢の原子炉」の概要を、おさらいしておこう。(伊藤壽一郎)

 もんじゅは、1995(平成7)年12月のナトリウム漏れ事故以来、14年以上も運転を停止。国の原子力安全・保安院が先月、運転再開を認め、日本原子力研究開発機構(原子力機構)は地元の福井県と敦賀市の同意を待って、年度内(今月中)の運転再開を目指している。

 一般的な原子力発電所の軽水炉では、燃料にウランを使う。核分裂を起こしやすい「燃えるウラン」(ウラン235)は天然ウランの0・7%で、残りは「燃えないウラン」(ウラン238)だ。燃えるウランの割合を3〜5%に高めたウラン燃料に、スピードが遅い熱中性子をぶつけて核分裂を起こさせる。

 一方、高速増殖炉では、軽水炉に残ったウランやプルトニウムなどを加工したMOX(混合酸化物)燃料を使う。これに、スピードの速い高速中性子を衝突させることで、プルトニウム239に核分裂を起こさせる。このとき発生した中性子をウラン238が吸収すると、プルトニウムに変わる。原子力機構は「もんじゅでは、核分裂した量の1・2倍のプルトニウム239ができあがる」と、増殖の仕組みを説明する。

 同じ反応は軽水炉でも起こるが、核分裂時に放出される中性子の数が少ないので増殖はしない。高速増殖炉とは「高速中性子による(燃料)増殖炉」のことなのだ。

 軽水炉と高速増殖炉は、冷却システムも違う。軽水炉は原子炉の熱を水に伝え、沸騰した蒸気でタービンを回す。これに対し、高速増殖炉では、原子炉に直結した1次冷却系と原子炉格納容器の外へつながる2次冷却系にナトリウムを使う。水を使うと中性子の速度が落ち、プルトニウムを増殖できないからだ。

 ナトリウムは熱伝導効率に優れ、沸点が高い(881度)ので配管を高圧にする必要がないという利点もある。しかし、「水や酸素と激しく反応して燃え上がるため取り扱いが難しい」のがアキレス腱(けん)で、95年の事故では、2次冷却系配管の温度計が破損。ナトリウム約640キロが漏れ、火災が発生した。

 原子力機構は、ナトリウム漏洩(ろうえい)対策強化を軸にした改造工事を2005年9月に開始し、07年8月に完了した。

 温度計の構造を改良したほか、万一、配管などからナトリウムが漏れたときに受け止めて外部へ影響を及ぼさない受け皿容器の設置。「原子炉は漏洩時に停止するが、冷やし続ける必要がある。ナトリウムをきちんと受け止める容器があれば、冷却系を止める必要がなく、炉心の“空だき”を避けられる」(原子力機構)という。

 原型炉であるもんじゅの運転が再開されれば、約3年かけて性能試験を行い、12年度中に出力28万キロワットの本格運転に移行したい考えだ。本格運転では約10年間かけて信頼性を実証し、ナトリウム取り扱い技術を確立する。

 国は原子力政策大綱で、25年ごろに50〜75万キロワットの実証炉を実現して、50年までに150万キロワットの実用炉(商用炉)を開発する道筋を立てている。MOX燃料を軽水炉で燃やすプルサーマルとともに、エネルギー政策の両輪となる位置づけだ。

 原子力機構は「高速増殖炉は、エネルギー資源の有効活用とともに、二酸化炭素の排出抑制に貢献する。地元や国民の理解を得ながら、もんじゅの運転を進めていきたい」と話している。

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2010年03月19日

雑記帳 橋下知事も自転車で走る…開通前の高速道路(毎日新聞)

 20日の第二京阪道路(京都市伏見区−大阪府門真市間28.3キロ)の全線開通を前に14日、橋下徹・大阪府知事ら約2500人が高速道路上を自転車で走るイベントがあった。

 完成前の高速道路を走るサイクリング行事としては国内最大規模といい、北海道から沖縄まで全国1万2000人近い応募があった。同時に、マナー教室なども開かれた。

 開通後は国道1号の渋滞緩和につながり、二酸化炭素排出削減も期待される。それでも、排ガスを出さないこの日の自転車の走りほどは、エコじゃない?【林田七恵】

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2010年03月17日

公約実現目指し無理露呈、マニフェスト修正も(読売新聞)

 発足から16日で半年を迎える鳩山政権は、昨年の衆院選の政権公約(マニフェスト)のうち、子ども手当や高校授業料の実質無償化の実現にメドを付けた。

 しかし、財源確保などで無理が露呈しており、マニフェスト修正も含めた決断を余儀なくされそうだ。

 子ども手当法案と高校授業料無償化法案は16日に衆院を通過し、今月中にも成立する見通しだ。マニフェストの主要政策としては初めての「成果」になる。

 だが、子ども手当の行方には暗雲が立ちこめる。初年度は半額支給(月1万3000円)で2・3兆円の財源を確保したが、マニフェスト通り2011年度から満額支給(月2万6000円)するには年5・3兆円かかる。

 11年度は基礎年金の国庫負担の引き上げにも2・5兆円が必要だ。

 10年度からコメ農家を対象に始まる戸別所得補償制度も土地改良事業費を半減して財源を確保したが、11年度からは他の農作物や畜産業、漁業にも対象を広げる予定で、計1・4兆円の財源が必要だ。

 マニフェストは10年度に必要な経費を7・1兆円とし、民主党は「無駄を洗い出せばいくらでも確保できる」としていた。しかし、実際に捻出(ねんしゅつ)できたのは3兆円程度。政府内では早くも「これから兆円単位の財源を見つけられるわけがない」との声が出ている。

 道路整備を巡る政策も後退を余儀なくされた。

 ガソリン税の暫定税率廃止は、穴埋めとして、2・5兆円分の財源のめどが立たず、当面税率を維持。高速道路の原則無料化は、概算要求の6000億円から1000億円に大幅に圧縮した。

 また、政府は週末に「上限1000円」などの料金割引に充ててきた財源の一部を道路建設に使えるよう方針を転換した。道路整備を求める地方の声を無視できなくなったためだ。

 公務員制度改革では、国家公務員の天下りあっせんを禁止したが、定年まで働ける環境が整備できておらず、新規採用に影響が出ることが判明。50歳代で肩たたきを受ける「早期勧奨退職」の慣行を当面存続することとしたが、それでもマニフェストの「国家公務員の総人件費2割削減」には黄信号が点灯した。

 統治機構改革でも、国家戦略室を「局」に格上げする政治主導確立法案は4月1日施行を目指していたが、年度内成立が厳しい状況に陥っている。政権の司令塔となるはずだった国家戦略局の不在は、政権が中期的な戦略を描き切れない要因にもなっていると指摘されている。

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